昔は面接が簡単だった

「この会社に入りたいと言ったら入れた」

 

 

その日僕は、昔からあるという、
業界大手のシャッターの会社の面接試験を受けていました。

 

一次面接ということで、
優しい印象の中年男性2人による面接です。

 

入れれば厳し目の残業や休日出勤と引き換えに、
つかの間の安定を手に入れることができます。

 

大手だからどうせ採用されないだろう。
そういう気持ちだった僕は、
面接に慣れる意味で試験に臨んでいました。

 

 

ところで、転職活動してて面接を受けていると
大体の場合、最後に締めくくりの質問があります。

 

「最後にご質問はありますか?」

 

いわゆる逆質問。
志望者の会社に対する関心を図る
目的の最後の関門です。

 

いつもいつも思うことなのですが、正直な話こっちからは
「この会社で働いていいですか?」
「残業はどれぐらいやればいいんですか?」
「有給はちゃんと使えますか?」
以外聞きたいことはありません。

 

…とは言うものの、そんなことを聞けば
面接官が面食らって僕の印象が悪くなるばかりなので、
ないことないこと振り絞って一生懸命質問を考えてきます。

 

事前に会社のホームページなんかを調べて、
少しでも自分からの質問に結びつきそうなコトを
頭抱えながら探して、やっとの思いで3つくらい、考えてきます。

 

そんな中で、僕が必ず使うお手軽な質問があります。

 

「面接官の方々は何故貴社に入ろうと思いましたか?」

 

面接官の会社に対する想いを聞くことで、
自分自身関心を持っていますよと
アピールする意味での質問。

 

僕自身、何かにこだわって情熱的に取り組んでいる人や
十何年も長い間何かに携わり続ける人が
どうしてそんなふうでいられるのかが気になるんです。

 

さぞかし立派な志を抱いて会社の門戸を叩いたのだろう、と。

 

今回も僕はこのお決まりのフレーズを、面接官二人に投げかけました。

 

 

 

彼らは気さくな調子で冒頭の言葉を返してくれました。

 

 

 

住んでいる世界が違う、と帰路を車で走りながら
僕はそんなことをぼんやりと考えていました。

 

一週間後、僕のもとにはいつものように
「これから先のご活躍をお祈り云々」
などと書かれた手紙が届きました。

 

 

良い大学に入ったり、良い人間関係を築いたり…

 

彼らも面接を受けるまで
様々な苦労があったりしたのかもしれません。

 

ですが、あたかもちょっとした資格を取るように
職を得ることが出来た時代がこの国にも
確かにあったのだ、と思うとショックでした。

 

対して、人生のほんの一部に過ぎない仕事に
心を砕くために会社のことを調べている僕ら。

 

下手なことを言ってしまわないか
プレッシャーを感じながら面接に臨む僕ら。

 

和やかに受け答えしたのに、
一生懸命働くとアピールしたのに返ってくるお祈りの手紙。

 

本当になにやってんでしょうね。虚しいです。

 

こんな調子で本当に
一億総活躍社会なんて訪れるんでしょうかね。

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